最近よく耳にする髪質改善トリートメントですが、「実際どうなの?」というお声をよく頂きます。

ダメージ毛だったり癖毛だったり、理想のスタイルを追求する上で”壁”となる問題は誰でも持っているものですが、長い美容の歴史でも完璧に解決できていない根深い問題でもあります。

 

先に結論から述べますが、髪質改善=頭皮の改善です。

当然ですが髪の毛は頭皮から生えているものであり、具体的には毛乳頭や毛母細胞や毛根鞘や毛隆起など(毛包)で構成されております。

あ、全く覚える必要はありません。

 

髪の毛自体は死滅細胞ですので回復することはありませんし、勝手に癖毛が治ってサラサラになることもありません。

つまり髪質を改善することは「頭皮環境を改善し、尚且つ髪のコンディションを恒久的に整える」のが正解であり、それ以外は全てグレーゾーンな判定になるということです。

 

 

 

で、その髪質改善トリートメントですがネットやSNSで目にする文句を紐解いていくと、

・髪の内側までしっかりとダメージケア‼(普通のトリートメント)

・毛髪再生したような効果‼(先述したように髪は再生しません)

・髪をツヤツヤ、サラサラにします‼(普通のトリートメント)

・解決できないダメージ毛はほとんど無い‼(根拠無し+表現が曖昧)

・癖毛も改善‼(もはやトリートメントではない)

・効果は半永久的‼(根拠無し+表現が曖昧)

という感じですかね、いずれにしてもツッコミどころの宝庫だと思います。

 

ただし、こういった髪質改善トリートメントを否定しているわけではなく、個人的に思うのはその謳い文句なんですね。

というのも昨今で出回る髪質改善トリートメントの大部分が「酸熱トリートメント」というシステムを採用しており、その正体は「極弱めの縮毛矯正」になります。

ひと昔前は酸性ストレートとも呼ばれていましたが、還元剤(アルカリ剤)を使わないので薬剤ダメージを抑えられるというもの。

それが進化して酸熱トリートメントになるわけですが、主にグリオキシル酸とかジカルボン酸とかマレイン酸とかに熱を加えることで架け橋構造になり、ケラチンを再構築するというシステムですな。

あ、全く覚える必要はありません。

 

これらは決して嘘ではないのですが、あくまでアルカリダメージが少ないというだけでダメージがゼロになるわけではないですし、そもそもアイロンしたら髪はツヤツヤになりますしね。

極弱めとはいえ矯正は矯正で髪の負担にもなりますし、色々とトリートメントを添加してノンダメージに見せたところでそれはやっぱり縮毛矯正なんですね。

むしろ個人的な感覚で言えばトリートメント未満+縮毛矯正未満といった感じ。

 

髪を綺麗に保つ加熱トリートメントなら他にも選択肢はあるし、癖毛を直したいなら素直に縮毛矯正するべきだと思うわけですよ。

なので「これトリートメントなんですぅ」って言いながらアイロンワークとかを始めたらそれは100%縮毛矯正ですし、癖毛を直してサラサラにするトリートメントなんぞ今のところ開発されておりません。

「でも縮毛矯正は痛むから」と思う方、それこそが髪質改善トリートメントの絶好のマーケティング層になってますよ。

 

 

話を戻しますが、では髪質改善とは何だろうと。

先述した髪質改善トリートメントにしても、それ以外のサロントリートメントにしても、当然やって損をするものではありません。

しかしシステムトリートメント(プロ用トリートメント)というのは基本的に時間と予算がかかるものですし、毎月のように1~2万円をトリートメントに使うというのも金額的に大きいようにも思います。

それに加え、当店がハッキリと言い切っている髪質改善=頭皮改善の方程式を当てはめれば答えはひとつ、ホームケアになるわけですよ。

 

これだけはブレずに言い続けていることですが、毎日のケアに勝るものはありません。

2カ月に1回のご褒美として、リラクゼーションがてらサロンでトリートメントすることには大賛成ですが、実際にはそれだけでは足りているとまでは言えません。

「美は1日にしてならず」の通り、毎日の積み重ねこそが最も大事で最も確実な「綺麗の維持」ですし、それ以上のものは無いと本気で思います。

 

ほんの5分、10分で本来は綺麗に保てるものです。

ほんの数千円で良質なヘアケア用品は買えるものです。

「じゃあどうすればいいんだよ‼」という人はシャンプーの基礎知識(初級編)から始めましょう。

髪を綺麗に維持することや、傷んだ髪を綺麗に戻すことは本来そんなに難しいことではありません(例外はあります)

1日のバスタイムをちょこっと見直すだけで髪が綺麗になるのであれば、こんなに簡単なことはないと思いませんか?