よくお客様に聞かれる「〇〇のドライヤーはどうなの?」や「どういうドライヤーが良いの?」に対する回答です。

 

美容業界や化粧品業界はイメージを売る商売なので、実際の商品の価値は変わらずとも「付加価値」で値段が大きく上下する世界です。

高ければ絶対に優れているということはないですし、そこそこなお値段でも優良な商品も数多くあると思います。

安ければ粗悪な商品が多いという点は正しいと思いますが(主に安全性という意味で)

 

最も一般的な「付加価値」としては、やはり「ストーリー性」かと思われます。

これは業界コンサルタント系の人達が口を揃えて言う話ですが「商品にストーリー性を持たせて、顧客様の共感を得る」という手法が基本中の基本になるようです。

実際にこの手の話はうっすらと聞いたことはあるんじゃないですかね?僕は嫌になるほど聞かされました(笑)

 

で、原材料を明記しなくてはならない化粧品の場合は「アフリカとかで採れる希少なオイル」やら「1gで〇万円の美容成分」やらが良く使われますね。

全く同じ手法がドライヤー業界でも使われるわけですが近年は少々度を越えて、意味不明で高度なテクノロジーが使われているらしいドライヤーが大規模な広告を打っております。

 

信じる信じないは人それぞれなので何とも言えませんが、個人的には全く信じておりません。

お客様に「〇〇のドライヤー買ったんだ」と言われるといつも不自然な笑顔で誤魔化しますが、あんまり意味は無いんじゃないかなと心の奥底では思っております

 

チキンなので面と向かっては言えないのでここで言いますが、個人的には全く信じておりません‼

とはいえ、本人が気に入って心地よく過ごせるのならそれで良いのです。

美容とはそういうものです。

 

 

安ければ数千円、高いと5万円くらいにまで幅があるドライヤー業界ですが、一体何がそんなに違うのでしょうか?

先に「ドライヤー、性能、違い」でググった際の意見を見てみましょう。

高級なヘアケアドライヤーを使うと、、、

1、早く乾いてしっとりする
2、雑菌の繁殖を防ぐ
3、キューティクルをケアする
4、寝癖を防止する

と、大体こんな感じらしいです。

 

まず「早く乾いてしっとりする」についてですが、高級なドライヤーを使うとすぐに乾く上に髪質を綺麗に保ってくれるんだそうで、安いドライヤーの強力な熱風で乾かすと髪の水分が全て失われると書いてありました。

髪の乾く速さをもたらすのは温度×風速(あと吹き出し口の幅)であり、高くても安くてもそれは絶対に変わりません

さらに、髪の大半の水分を維持するのはタンパク質なので、水分が全て失われる=タンパク質が全て失われる=髪の毛が砂のように崩れていくということになります。

安いドライヤーで髪を乾かしたら砂みたいに崩れた人、恐らくいないでしょう。

 

「雑菌の繁殖を防ぐ」については乾かし方の問題でドライヤーの性能云々ではありません

濡れてたり、半乾きだったりすると雑菌が繁殖しやすくなるのでしっかりと乾かしましょう。

 

「キューティクルをケアする」についても同じで、優しくしっかりとブラッシングしながら乾かせばキューティクルが傷つくことは殆どありません。

適度な距離(温度)に気を付けるだけの話なので、そう難しくはないはずです。

中には「美容室帰りに髪がサラサラになるのはドライヤーのおかげ」とまで言い出す人がいる始末ですよ、悪質ですなぁ。

 

「寝癖を防止する」に至っては、、、何と言えば良いのでしょう。

しっかりとブローしたか、アウトバストリートメント等で保湿&コーティングをしたか、寝相はひどくないか、この3点だと思います。

もはやドライヤーは関係ない話ですな。

 

総じて、高級なヘアケアドライヤーを使うと乾くのが早く、なおかつ髪をケアしてしっとりとさせ、パサつかずにまとまった髪を維持できるということらしいです。

対照的に安物を使えば質の悪い熱風が髪をパサパサにし、キューティクルを傷つけ、使うほどにダメージが蓄積すると。

様々な意見があるのは当然ですし、長く美容師をやっていても気に入ったメーカー以外のドライヤーにはあまり触ることも無かったので何とも言えませんが、上記に挙げられたようなものはあまり気にしなくて良いと思います。

更に言えば「マイナスイオンで髪がサラサラ‼」と実感したこともあまり無いので気にしなくて良いかと思います。

 

なので、個人的な観点でのドライヤーの選び方は、、

1、軽い
2、風量が強い
3、静か
4、頑丈

の4つですな。

 

ドライヤーの構造にもよりますが、基本的には熱量×風量は製品のワット数で決まります。

家庭用だと平均して900~1100Wくらいが一般的なところだと思いますが、プロ用は大体1100~1500Wくらいで推移しております。

ワット数が大きいほどパワフルになるわけですが、それに応じて重い&煩いということにもなりますので、その辺はお好みでどうぞ。

 

サロンワークにおいての話になりますが、個人的にドライヤーに求めるのは「早く乾く」の一択です。

むしろ髪のケアを気にするのなら、シャンプーやトリートメントやアウトバスに気を使ってほしいかなと。

所詮は「熱風発生装置」ですからね、それ以上でもそれ以下でもありません。

 

 

ついでに言っておくとですね、高性能な高級ドライヤーはブロガーやらインスタグラマーやらの宣伝が凄まじいのですが、これはシンプルに広告料が発生するからで、どこまで本気でオススメしてるのかにはかなり疑問が残ります。

特に値段が高いものは「正規品はこちらから!」的なバナーが非常に多く、大体1,000~3,000円くらいの紹介料が発生するそうです。

ドライヤーとしての性能は何とも言えないですけど、過剰な広告を鵜呑みにするのだけは止めた方が良いですよ。

 

あとオススメというほどではないですが、個人的に20年使い続けたドライヤーとしてNobbyのドライヤーは結構良いですよ。

「ノビー ドライヤー」とかで山ほど出てきますが、Amazonとかで買えます。

多少の差はありますが大体5,000~10,000円くらい、信頼と実績のメーカーです。

 

今日のまとめ
・広告を鵜呑みにしない
・他人のオススメも鵜呑みにしない
・基本的にはワット数と予算で決める
・高いから優れているというものではない
・乾かし方やドライヤーの使い方の方が大事
・むしろドライヤー以外のヘアケアの方が大事