最近よく聞かれる「オーダーメイドシャンプー(カスタムシャンプー)はどうなのか?」というご質問。

巷ではお客様一人ひとりに合わせた、オリジナルの処方を組み立てるヘアケアセットが人気があるようです。

その勢いは留まることを知らず、知っている限りではここ数年で6~7社くらいが競合する熱い商売になっております。

 

大体はスマホアプリ等で10個くらいの質問に答えることで「何万通りの処方の中から最適なものを送ります」というのをウリにしてますね。

そして、大体どこのメーカーも以下のような共通点があります。

・少なくて2万通り弱、多いと3億通りの処方パターン。

・購入後は感想や改善点をフィードバックすることで、購入した方とのズレをブラッシュアップしていく。

・ほとんどのメーカーは初回割引が適用され、2回目以降は値段が上がる仕組み。

・会員登録するのは超簡単だけれども、退会するのは面倒

・アミノ酸系。

・ノンシリコンでノンパラベン

・大部分が天然成分な謳い文句。

などなど、中には遺伝子検査までしてくれるユニークなメーカーもあったりするので、各メーカーも差別化に対する企業努力が見えてきますね。

 

 

さっくりと調べたところでは基本的にアミノ酸系がベースのシャンプーと、軽めな質感の(シリコン)トリートメントという感じ。

高額な商品なのでそれなりに値段に見合うだけの内容ではある、、、と思います。

しかし、中にはラウレス硫酸(キングオブ安価)ベースの商品もあるみたいですし、市販のシャンプーにも劣りそうなものもチラホラと見受けられました。

 

一応言っておくとアミノ酸系=肌に優しいと認識しがちですが、肌に優しい=菌にも優しいと同じ意味になります。

乾燥肌や敏感肌な方が使う分にはあまりデメリットは無いのですが、油性肌だったり汗をかきやすい時期だったりすると洗浄性がやや物足りないかなと。

当然それはフケや痒みに繋がるわけで、優しく甘やかすだけではお肌は上手く機能してくれないのです。

 

同じアミノ酸系の中でも洗浄性に特化したものや、酸性せっけん系の洗浄成分などで弱い洗浄性を補助するのが一般的ですが、どうもその辺りはスルーされがちなようです。

良いか悪いかは別にして、とにかく肌刺激の少ないものを優先しているように見えますね。

 

 

あとね、パラベンフリーをアピールするくせに安息香酸Na(防腐剤)が使われるのはもう鉄板の流れなんですよ。

いかにも防腐剤不使用で優しい雰囲気をアピールするようで「どうせ分からないでしょ?」感が透けて見えるような、言葉遊び商法には感心しませんな。

何よりも、高額だとパラベンを使っちゃいけないという謎理論は本当に不思議です。

 

「敏感肌には防腐剤を使っちゃいかん‼」とは言いますが、防腐剤入りの化粧水やら乳液やらはベタベタつけるでしょ?

美容成分にしても、防腐剤にしても、科学の世界では毒と薬は紙一重。

以前にも触れましたが、肌や体に対して有益なものしかもたらさない物質なんてありませんし「○○フリーだから安心安全」には絶対に裏があります

当ブログでは毎度言っていることですが美容は無知だと損をしますので、本当に価値のあるものを見つけるには多少のお勉強は必要ですよ。

 

 

で、結局どうなんだという話ですが、個人的には「サロンシャンプーを明確に上回るものではない」という感じでしょうか。

もちろんサロン専売品もピンキリなので強くは言えませんが、大体どこのメーカーの商品を見ても明らかにサロンクオリティを上回るとまでは言えないと思います。

「あなただけにカスタムした」と言えば聞こえは良いですが、触ってもいない髪のことなんか分からんですよ、実際。

むしろ値段や解約の手間を考えれば、結局は必要な時に買える商品の方が総合的に便利なのでは?とすら思います。

 

やはり「数万通りの中からあなたのためだけの‼」というスペシャル感以外に、特別優れている点は見当たらないかなと。

価格と成分を見比べればやや割高感も否めませんし、各メーカーがこぞって広告やらインフルエンサーやらを使っているのを見ると、それなりに広告費が上乗せされているようにも見えます。

 

何より、先述したように最も難しいのが「個人の髪質診断」という点で、お客様のセルフ髪質診断もあんまり当てにならないんですよ。

「私は髪が固い」とか「毛が細い」とか「髪がすごく多い」とか、個人的には的確に自分の髪を理解している人は多くないですね。

そもそものセルフ診断が見当はずれだから故に、しっくり来る仕上がりにならないのかなとも思います。

 

ただし、奇跡的に完璧にハマる人も少なからずいるでしょうし、一概に良し悪しで割れないあたりが難しい商品ですね。

某サイト等で口コミを見てみると、かなり両極端に評価が分かれるのはそういうことなんでしょう。

カスタムシャンプーを試してみるにあたっては、信頼する美容師に髪質を聞いてからでも良いと思いますし、何だったら一緒にアプリで診断しても良いんじゃないかなと。

 

 

 

-宣伝-

余談ですが、2021年秋頃(9月下旬~10月上旬頃予定)から当社オリジナルブランドのヘアケア商材を販売します。

商品の企画・研究・開発・販促・デザイン・流通経路の開拓と、全てを1人(極一部は宇部)で担当したのでこの1年半は何度か死んだお爺ちゃんに会いそうな日々を過ごしておりました。

これは「余計なコストを限界まで削減し、考えられる限りの最高峰の品質を実現する」ためであり、全て自己資金で賄ったのでもうカツカツですわ。

 

1人ひとりに合わせた処方など到底無理な話ですが、それらを遥かに上回る高品質な商品開発には成功しております。

詳細はその内お話しますが、どうにもならない髪の悩みをお持ちの方、今しばらくお待ちくださいませ。