今日は美容とは関係ない話な上、タイトルとも少々ズレたお話なので、ご理解の上お読みください。
この間ですね、yahooニュースをサーフィンしてたら興味深い記事がありまして。
某雑誌の記事ですが「アラサー女子の、コロナ渦にやめた方がいいNGヘア」というものでしたが、ちょっと思うところがあるので雑談にしようかと。
思えば早1年半くらいでしょうか、世の中がコロナの脅威に晒されて随分と経ちましたが、我々美容師も含めて働き方や世のサービス業の在り方に大きな変化があったと思います。
真っ先に変化があったのが2020年5月頃、本格的に在宅ワークが導入され始め、世の中が閑散とし始めた頃です。
余談ですが4月の最初の緊急事態宣言は本当に痛恨の一撃で、20年美容師しててあんなに暇になったの初めてでした。
「あ、こりゃサロン潰れるな」と覚悟しましたが、あんな時ですらご来店いただき支えてくれたお客様各位、改めてお礼申し上げます。
で、「どうせ会社行かないから大丈夫」とか「何かモヤモヤするから明るい気分になりたい」とか、理由は様々ですが美容業界のブリーチ消費量が跳ね上がった時期と重なります。
色々とヘアスタイルで挑戦してみたいけど、仕事の制約上あまり派手な髪にはできないという方、もしくは人の目が気になって中々思い切った髪型にできない、という方が結構いたわけですね。
この潜在的な変身願望とコロナ渦の生活が良くも悪くも噛み合い、普段は選べないヘアカラーを実現できるようになったわけです。
全体のブリーチやインナーカラー、毛先のブリーチやバレイヤージュ、そしてフェイスフレーミングカラーなどなど、デザイン性の高いヘアカラーを所望する方が一気に増えた気がします。
それから1年半が経過し、あの時にヘアスタイルで冒険した方は今でも気に入って継続している方がほとんどです。
「やってみて良かった」「もっと早くやれば良かった」と肯定的に捉える方が非常に多く、同時に髪型に対する美意識の底上げという意味でも大きな変化があったように思います。
個人的にはメイクアップにかける費用がヘアメイクに転じたのかなとも思いますが、いずれにせよ我々としてはお客様の魅力をより引き出せる機会が増えたことは嬉しい限りですな。
で、冒頭の記事「アラサー女子のコロナ渦NGヘア」の件ですが、
・毛先だけのブリーチやデザインカラーはわざとらしく、悪目立ちするので良くない。
・根元から毛先が徐々に明るくなるグラデーションカラーが良い。
ということらしいですが、このあまりにもレベルの低い記事はどこの田舎者が書いたんだと。
というか、アラサーもコロナ渦も関係ねぇなと(笑)
仕事柄、女性誌に目を通す機会は多いのですが、最近は現実にお話しする女性のお客様とメディアが勧める女性の在り方に齟齬があるような気がします。
もしかしたら前々からあったのかもしれないですが、最近は特にそう感じることが多いです。
いち美容師としてはアラサーだろうがアラフォーだろうがアラフィフだろうが、お客様個人が好むスタイルで輝いてもらえれば良いので、年齢に伴うスタイルの在り方にはあまり拘りはありません。
好む服装やメイク、憧れる有名人など、そのお客様が好むテイストの方が遥かに大事なわけですよ。
もちろん仕事柄やTPO等、相応しくない髪型は避けるように組み立てはしますが、結局は本人が喜んでくれれば何でも良いんですよね。
お客様が好む焼き加減でステーキを提供するのと一緒で他者がどう思おうと、生焼けでも美味しいと思うのならそれで良いんですよ。
「この肉はウェルダンが一番だ」とか「あなたはアラサーなんだからレアはやめなさい」とか、食べ物に例えると分かりやすいですけど、こんな言われ方したら「うるさいな」と思いません?
このアラサーだからという記事も然り、その年齢の平均値に合わせる理由はむしろ何なんでしょうか?
時代はどんどんと変化し、皆と同じであることの共感や協調性を重んじる時代はもう終わっていると思います。
端的に言えば、この「アラサー女子のスタンダード」という考え方が一番ダサいよねと、個性を尊重する現代において考え方が古臭く時代遅れだねと。
デザインカラーは決して若い人だけのものではなく、どんな世代の方でも似合うスタイルの見つかる奥深いものです。
当店ではアラフィフどころかオーバー50でもブリーチしまくってますよ(笑)
むしろ10代~20代と比べてあまり経験の無いであろう30代~40代以降の方にこそ挑戦して欲しいと思うくらい。
「年齢的に痛い」とか「男性受けが悪い」とか、無責任な記事に踊らされず自分の好みを優先してください。
その上で「素敵だ」「似合ってる」と言ってくれる人たちと仲良くしたら良いんじゃないすかね。
今は人生100年の時代ですからね、たかだか30代で冒険をやめたら残りの70年どうするんですか?